シンクロニシティー


 シュウのマンションに帰って来た時、既に時刻は午後8時を回っていた。


 慣れない早起きをして、朝6時過ぎには出掛けたのに。
 随分長いこと遊び呆けていたもんだ。



 楽しかった。
 ただただ楽しくて、そして幸せで。

 こんな風に、それこそ死ぬまで永遠に、時が流れていってくれたらどんなにいいか……
 けれど、それが叶わないと知っているから切なくなる。



 虚しいほどに儚くて、だからこそ尚更愛しいこの時間を、一瞬だって無駄にしたくない。

 そう思っていたのに――



 あろうことか私は、帰宅後すぐに眠りこけてしまったのである。


 ちょっとだけ、ソファーに横になって身体を休めるだけのつもりだった。
 それなのに、ちゃっかり脳みそまで休息をとってしまうとは。


 自分の怠慢な脳みそが憎らしい。


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