シンクロニシティー


 目をパチリと開ければ、困ったように苦笑するシュウの顔が間近にあった。


 仕方なく、ゆるゆると起き上がり、モニャモニャしてスッキリしない目を右手で交互にこすった。

 そうしながら、

「どしたの?」

 と訪ねたけれど、喉に引っ掛かっているようで巧く声が出て来ない。


「コト、起きて」

 シュウはもう一度言った。

「起きたよ? どしたの?」

 手を目から離して中途半端な位置まで下げ、シュウを真っ直ぐ見詰めた。



 シュウはソファーの傍らに両膝を落とした立て膝の体勢。

 じぃと見詰め返すその眼差しには、何となく苦悩が滲んでいるように映る。


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