とある愛世Ⅰ
程よく筋肉のついた腕に頭を乗せ、裸の彼の胸にぎゅっと抱き着く。

時刻は午前2時。

頭の下の腕が少し動いて、彼の手が優しくわたしの頭を撫でた。


「何?どうかした?」

「んーん。くっつきたかっただけ。」


もうすでにだいぶ暗さに慣れた目が、目の前にある彼の表情を映す。

わたしが見ていることに気づいているのかどうかはわからないけれど、彼は無表情に天井へと視線を向けている。

何故か無性に寂しくなって、彼に抱き着いている腕に力を込めた。
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