君を忘れない。
突然窓の外から聞こえた、凄まじい音。
「な、なんですか?!」
「落ち着け、ただの雷だ。」
あ…雷か。
――――“ピカッ”
「っひ…!?」
空が光り、そのすぐ後には、再び大きな音が鳴った。
「…怖いのか?」
バカにしている風でもなく、一平さんは私に尋ねる。
「か、雷が好きな人なんて、あまりいませんっ!」
だけど私が、それ以上に恐れたのは。
――――“ザー…”
真っ黒な空から、雨粒が降ってきた。
と、その時。
「あ。」
研究室の電気が消えた。
いや、研究室だけじゃない。
廊下も、反対側の校舎も、街灯だって。