君を忘れない。
一平さんが居なくなってから、一ヶ月後。
ドイツが無条件降伏。
そして8月6日、広島に原子爆弾投下。
続いて9日には、長崎に。
無差別に、一瞬に。
命を、街を、自然を、国を、希望を。
何もかもを奪い、壊し、灰にしていった。
日本はもう、傷だらけだった。
戦う力など、残ってはいなかった。
――――1945年8月15日。
ポツダム宣言受諾、終戦。
天皇陛下のお声が、国中に響いた。
涙する者、崩れ落ちる者、様々だった。
変わり果てた日本の姿に、焼け野はらとなった首都東京に、みな絶望した。
これが、戦争なのかと。
こんな結末を、望んでいたのかと。
気付いた時にはもう手遅れで。
日本人の胸に、大きな傷痕を残し、第二次世界大戦は終結した。