僕と剣道部と奇妙な儀式

「集合!!」

我が剣道の主将の多田が、大きな声で部員に声をかけた。

「一年生と今回の県大会に、出ない二年生は、帰って良い。」

県大会には、主に三年生が、出場する為に一年生二年生のほとんどの部員が帰る準備を、急いで始めた。

残っているのは、二年生の竹中と原田と吉村。

そして一年生から、ただ一人残された山内正男僕の四名だった。

正座して四人は並んだ。

とうとう始まる。

噂は聞いていたが、実際に見た人は口外禁止になっていて、本当の事を知る者は居ない。

多田が四の前に竹刀を持って立つ。

身長が高く目付きは鋭いが、なかなかのイケメンだ。

実力と統率力、人格完璧な先輩だった。
多田は、静かに落ち着いた声で言う。

「県大会前に最大の儀式他言無用。約束出来るな。
性根を叩き治してやる。

正確には腐った性根を抜き取る。

我が剣道部に代々伝わる儀式だ。」


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