唯
涼太と龍は中庭に着くなり、
特等席であるベンチに寝転ぶ。
あたしと愛も
いつものベンチに座る。
「唯は好きな人いないの-?」
「いないかな。」
「なんで!?うちの学校、結構イケメン多いじゃん」
そうなんだよね。多いんだけど、ね?
「ん〜。でも、好きにならないからなぁ。あ!涼太は好きな人いないの?」
メールんときから
ずっと気になってたんだよね。
「俺?俺は……いるよ」
「「まじで――!?!?」」
見事にみんなの声が揃った。
「だ・れ?」
愛が目をキラキラさせて言う。
「は!?言うわけねぇだろ!」
「ふぅん。いいんだ。そんな事言って」
涼太が苦笑いして
「しょうがねぇなぁ…」
って言いながら
愛に耳打ちした。
その瞬間、愛の目が輝いた。
「絶対に言うなよっ!?」
「言わない♪言わない♪」
不安だ、って顔してるよ。涼太(笑)
「信用出来ねぇけど信じるしかねぇか」
涼太、ドンマイ。
「んで、誰なんだよ?」
龍が興味津々な顔で聞く。
あたしも気になる!
「お前は口軽いから言わねぇ」
「愛には教えんのに!バカ涼太」
「はぁ!?お前のがバカだろ!」
喧嘩になりそう。と思って
割って入る。
「やめなよ。2人ともバカでしょ」
「「うるせぇ!!」」
と言ってまた言い合う。
「殴られたいの…?」
あたしがいった瞬間、2人が静かになった。
「「すいませんでした」」
黙ってみていた愛が言う。
「さっすが唯♪」
「愛。それより、クレープ買いに行こ〜」
「うん、行く!!」
「俺、カスタード!」
「俺も!!」
「りょうかーい♪」