ゆら-YURA
ゆき 日常
転校してきた朝
初めて彼女を見たとき
彼女の奥に優しさが隠れていることに俺は気づいた。
俺はきっと一目惚れをした。
不思議な優しさが俺に魅せたんだと思う。
そして、彼女は知らない間に隙間にいた。
彼女の存在を知ってからもう2ヶ月がすぎた。
今日も、ビニール傘の下に
背中まで伸びたストレートの髪と
化粧をしていないナチュラルな顔をかくしている。
無口無表情の彼女はバタバタ足音がなる中をコッコッと自分の道をあるき席についた。
いつも俺は机に伏せて腕の隙間から見ている。
クラスの皆は低血圧の俺に声をかけない。唯一、彼女をゆっくりみることができる。