君と私の活動記録(仮)
早く来たおかげで志木君と会うことができたのだから。


彼には迷惑なことだっただろうけど。



「潮目、他に何かある?」



志木君の声で窓から視線を棚に移すとぐちゃぐちゃになっていた本が見事にきれいに並べ終わっていた。



「何もないよ。

だから終わり。

こんなに早く来なくてもよかったんだ…

ごめんなさい。」



頭を少しだけ下げた。


そうしたらクククっという笑い声がきこえてきた。


もちろん志木君だ。


今ここには私と彼しかいなくて私は笑っていないのだから。



「俺ら、昨日から謝ってばかりだな。」



今度はそらさずに、目の前で私に向けられる笑顔に見惚れていた。


いつもは遠くから見ていたこの笑顔に。


錯覚してしまいそうになる。


私だけ、と。


この時私の表情は一瞬崩れただろう。


どうして一瞬なのかというとこの後すぐクラスメイトが登校してきたから。


急いで表情を戻した時、彼は私に何かを言おうとしていた気がするが、クラスメイトに話しかけられたことによりその言葉が私に伝わることはなかった。



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