君と私の活動記録(仮)
「それに、私も気付くことができなかった。」

「…水亜は悪くないよ。」



私を助けてくれたんだから。


あの時、もし水亜がいなかったら、私はもっとヒドいことになっていたはず。


想像すれば、今にも震えて叫んでしまいそうだ。

担当の先生が教室に入ってきた。


今日は映画をみるようでDVDをセットしている。


スクリーンに映像が映し出されても、真面目にみようとは思えなかった。


高校生の出来ることは限られている。


そうは言っても、自分にとっては些細なことでも他人にとっては深い傷をつくるものかもしれない。


人は、見つからなければ、バレなければ、と平気で悪いことをしてしまうものだから。


彼女はどうだろうか。


ある程度のところまではやってしまいそうだと思うのは仕方のないこどだろう。


彼女には味方が多くいる。


騙されていることを知らない味方が。



「…メールでいいから。

今夜ちゃんと送りなさいよ。」


「うん。」



有無を言わせない態度に頷くことしかできなかった。


でも、それではきっと遅い。


それを分かっていて、今は話さないことを選んだ。


今回こそは一人で解決したいんだ。



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