The world of you and me
ドキドキと心臓が嫌な音を立てながら高鳴る。本当はつまらない嫉妬なんてして、紘を困らせたくない。
だけど、女の人喋っているところを見ると、紘は私の彼氏だ。と叫びたくなってしいまう。
今だって電話を切ってしまいたい。そんな事思う私は、重症なのだろうと、自分を嘲笑
う。
まぁ、女の人とあまり喋っているところを見た事がないのだけど。
「…」
下を向き、紘の服を軽く握り、離してと訴える。
訴えが通じたのか腕の力を緩めてくれた。
『どうした?』
わりぃ、と電話の向こうの人に伝えて紘が私の顔を覗き込んだ。
醜い嫉妬をしていることを隠すように、へらりと笑って。
「あ、のね、部屋に忘れ物しちゃって。」