The world of you and me
そう小声で伝えると、渋々とした感じで腕を離してくれた。
少しの寂しさを感じたけど、気づかないフリをして。
静かに窓に向かい、恐る恐る自分の部屋に戻った。
「はー…。」
すぐにベットへ倒れ込む。
もっと、私が可愛らしく素直に我が儘とか言えたらよかったのにな。てか、紘も少しは察してくれもいいじゃんかっ。
そんな、理不尽な怒りがこみ上げてきた。
「はぁ…」
息をゆっくり吐き出し気持ちを落ち着ける。
起き上がり、窓の方に視線を向ける。開けっ放しのカーテンからは紘の部屋が丸見えだ。
紘は楽しそうに小さく笑っている。
そんな紘見ていると、つまらない嫉妬と、寂しさと、怒りが募ってくる。
そして本当に自分は、子供っぽいし、心が狭いと自覚させられてしまう。