The world of you and me
『なぁ』
あと少しで唇と唇が触れる、という所まで微妙に保っていた距離を一気に縮めた紘。
『キス、してい?』
聞いたくせに私の返答を聞かず、ただでさえ、自分の置かれた状況に目を見開いている私の唇に
「っ!」
触れるだけのキスをした紘。と更に目を見開く私。
『俺のこと好き?』
「…へ?」
『だから、俺のこと好き?』
「べ、別に…」
紘が突然そんな事を聞いてきた。それに素直になれない私。
『あっそ』
あまりにも素っ気無く冷たい紘の言葉にまた、泣きそうになる。
確かに素直に好きだと言えない私も悪い。だけど、そんなに冷たく答えなくてもいいじゃんかっ。