The world of you and me
「わっ私、自分の部屋に…。」
『お前らだけで決められるだろ。だから…』
意識はたぶん携帯の方なのに、私に回る腕がさらに引き寄せるようにギュッと強くなる。
たったそれだけなのに私の心臓は、大暴れする。
でも、こうされると何も出来なくなる。また腕でも抓ってやろうかと考えたりしてみたり。
なんとなく、その腕に自分の手を添えてみる。
それにしても、長い腕だなぁ。たまに紘にはむかつく位に完璧だと、再確認させられる。
と。
「…。」
あ、あれ?
携帯から聞こえる声に、耳を澄ます。
男の人が相手だったはずなのに。女の人の声だ。完璧に。
急に背筋ゾクリ、と震えた。