不器用な君と私
お昼からの授業は全く覚えていない。


気付けば授業は終わり、周りは帰る準備をしていた。



「彩ー!!ずっとボケーッとしてるよ?」



「何かあった??」


心配そうに覗き込んでくる奏と美咲に、彩は元気よく手を振る。



「何でもないよー!!何か久しぶりの学校に疲れただけ」



心配させてはいけないと思い、いつもより元気に話すが、二人の顔は沈んだままだ。


「何かあったらいいなよ?」



「そうそう。相談くらいしてよ?」


優しさに思わず涙が零れそうになるが、我慢する。


「ありがとう…。嬉しい」



はにかむ彩は最高に可愛かった。彩の笑顔に沈んでいた二人の顔も明るくなる。



「これからカラオケ行くけど、彩一緒にどう?」


病み上がりにはキツい?と心配しながらも誘ってくれる。



久しぶりに騒ぎたかった彩だが、先約がある為申し訳なさそうに謝る。
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