不器用な君と私
「ごめんね…。今日は佑先輩と約束してるの…」


彼氏ができれば彼氏優先になる女子も多い中、彩は友達優先をモットーにしていた。


そんな彩が奏も美咲も好きだったが…先約ならば仕方がない。



「また今度行こう!!そんな悲しい顔しないで」


彩の頭をポンポンと叩くと時間だったのか、また明日ねと帰って行った。


少し前までの騒がしさが嘘のように、教室はシーンとしている。



(佑先輩遅いな…)



彩が時計をちらちらと見ていると、先生に呼ばれていたらしい竜也が帰ってきた。



あれから竜也とは話していない。



いつもなら何やかんやとちょっかいをかけてくる竜也も、今日はあれから何もしてこなかった。



(…気まずい)



気まずさからか竜也の方を見れずにいた為、側に来ていた事に気付かなかった。
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