不器用な君と私
朝から写し続けた為、彩の手は真っ黒だった。




そんな彩に申し訳なさそうに奏が呟く。




「今思ったんだけど…コピーでよくね?」




時が止まった。




-ガクッ-



膝から崩れ落ちる彩に二人も慌てる。




「もっと早く気付けば良かった…」



涙で明日が見えない…。


「まぁ…ほら…気を落とさず…とりあえず学食行く?」



気を使わせている。



彩は気を取り直すと申し訳なさそうに謝る。



「ごめん…まだ食欲がないんだ…」



心配をかけてはいけないと思いつつも、食欲が全くわかない彩。




「でも…食べないと…」



続きを濁す美咲に、彩は手を振る。



「大丈夫。大丈夫。私の事は気にせず行ってきて~」
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