不器用な君と私
補習の日はあっという間にやってきた。


翌日だったので当たり前なのだが・・・。



佑介にしばらく一緒に帰れないと伝えたら、待ってるよ?と言ってくれたが・・・午後の間ずっと待っていてもらうのも申し訳なくて彩は断った。



周りをみれば・・・みんな帰っている。




今回彩以外にクラスから補習を受ける者はいないらしい・・・・一人ぼっちだ。



(・・・・早く帰りたいな・・・・)



溜息が漏れた時・・・・重岡と・・・・竜也が入って来た。




「おう!ちゃんと残ってたな」




彩の空気が暗いのにも気付かない重岡の声は、どこまでも明るかった。



「一人じゃ寂しいだろうと思って、お仲間を連れてきてやったぞ!!!」




どうだと笑う重岡を彩は頭からかち割ってやりたくなった。




竜也は竜也で何を考えているのか分からない顔で外を見ている。



「ほら!二人で勉強しろ!!一人よりははかどるだろ!」


そう言い残し、課題を大量に置いて重岡は教室を出て行った。
< 34 / 41 >

この作品をシェア

pagetop