雑種と呼ばれて
飼い主と過ごした7年間


「クゥーン・・」


お腹がすいた。


もう何日 食べてないんだろう。


ご主人様は、今日もお酒を飲んでいる。


「クゥーン・・」


「うるっせぇなぁ!」


カンッ


「キャンッ!」


飼い主の男は、犬にビールの空き缶を投げつけた。





…いつものこと。


我慢すればいいだけ…。


この空腹も、自分の排泄物を食べてしのぐのだ。


そうやって、ここしばらくは生きてきた。


…いや、そうしなければ生きられない。


そんな状況に、僕は追い込まれていた。





エル、雑種として生まれて7年目。


現在の体重、正常な犬の3分の1。


死神が、彼の周りをうろついている。


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