私は貴方に、叶わない恋をした。
「永井!!」
ビク!
「…え?」
大きな声で名前を呼ばれ、やっと顔を上げた。
「大丈夫か?顔色よくないぞ」
「え…」
そう言われ、自分の手で頬に触れてみた。
顔色はわからなかったが、手の平が汗ばんでいるのはわかった。
「補講がショックなのはわかるが、他の生徒の手前やるしかないんだ」
「…」
先生、それは違う。
「風で飛ばされた上、プールに落ちたのは運が悪かったと思え。お前は、悪くない」
それも、違うよ。
私は自ら、補講になるよう仕向けた。
先生と、一緒にいたいから。
悪いのは、私。
先生を好きになった私が、悪いー…