私は貴方に、叶わない恋をした。


わかってる。

わかってるからー…


「永井、本当に大丈夫か?体調悪いなら…」

先生の手が、頬に近付いてくる。


「…っ」



もう、優しくしないで!!



バチン!!!!!




乾いた音が、準備室に響き渡った。




ジンジンと、手の平が痺れる。


「なが…」

「もう…やめてよ…」

心が、イライラする。

「触らないで」

「え…?」

「優しくしないでよ」

「どうした…?」


「先生なんか…」








「大嫌い!!」





違う。






本当はー…







好きで、好きで、仕方がない。






でも、どうしようもない気持ちを抑えられなかった。





ねぇ…助けてよ。



この切ない気持ち、どうしたら失くなるの?







< 14 / 92 >

この作品をシェア

pagetop