私は貴方に、叶わない恋をした。
夏休みに入ると同時に、補講が始まった。
あの日から先生とは、授業以外では一度も喋ってない。
それどころか、教室にいても目も合わせてくれなくなった。
「…最悪」
美術室で一人、課題をやりながらボソッと呟いた。
失恋ー…
「…に、なるのかなぁ?」
好きになっちゃいけない人を、好きになった。
始めからわかっていた、結果だった。
これでも、恋といえるのだろうかー…
ねぇ、先生。
教えてよ。
「…好き」
扉の向こうになんかいないで、私を見て。
「好きなのに…」
…私を避けないで。
振るなら、早く振ってよ。
そうじゃないと、諦められないじゃん。