私は貴方に、叶わない恋をした。







翌日、先生は何事もなかったかのように教壇に立っていた。


「あー…今学期の委員決めをー…」


気にしてるのは、私だけ。


両想いになったはずなのにー…

私の想いだけが、一方通行だと思ってしまう。


昨日、あれだけ浮かれてたのになぁー…





「…永井!」

「えっ…あ、はい」


先生の声で名前を呼ばれ、身体がビクッと跳ねた。



「お前、美術委員な。後、委員長…」

「…へ?」


サラッと言うと、もう先生は違う話をしている。


美術委員って…

授業のご用聞きとか、準備とか、ぶっちゃけ…先生のお手伝いに近い。


その美術担当の先生は、今ここにいる沢先生でー…



「よし、以上。早速だが美術委員、昼休みに美術準備室に来いよ」


「え!?」


HRを終わらせると、先生はさっさと教室から出て行ってしまった。


「…昼休みか…」


先生が出て行った扉を見つめながら、小さな声で言った。



授業の話かな…




それともー…






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