私は貴方に、叶わない恋をした。
「永井…お前は、他の誰かと付き合ったことがあるのか?」
「…え?」
質問とは、全く違う内容。
「先生、そんなことより私の…」
「"そんなこと"じゃない。…答えてくれ。永井」
「…っ」
今は、そんなこと関係ないじゃんー・・・
「・・一度も・・・ない」
今まで、好きになった人はいたけど・・・付き合いたいとは思ったことがなかった。
だから、先生が初めてだった。
好きで、好きで・・生徒してじゃなくて、恋人として先生の隣に立ちたかった。
「・・・そうか・・・なら、なおさらお前とはキスできない」
「な・・何それ」
意味わからない。
「思い出に残るからだよ。何でも、初めてっていうのは」
思い出ー・・・
「残るってことは、いいことじゃん・・だってー・・・」
「不倫関係の、何がいいことなんだ」
ドクン!!
心臓の奥底が、跳ねた。