私は貴方に、叶わない恋をした。






「永井…お前は、他の誰かと付き合ったことがあるのか?」


「…え?」


質問とは、全く違う内容。

「先生、そんなことより私の…」

「"そんなこと"じゃない。…答えてくれ。永井」


「…っ」

今は、そんなこと関係ないじゃんー・・・


「・・一度も・・・ない」


今まで、好きになった人はいたけど・・・付き合いたいとは思ったことがなかった。

だから、先生が初めてだった。
好きで、好きで・・生徒してじゃなくて、恋人として先生の隣に立ちたかった。

「・・・そうか・・・なら、なおさらお前とはキスできない」

「な・・何それ」

意味わからない。

「思い出に残るからだよ。何でも、初めてっていうのは」

思い出ー・・・

「残るってことは、いいことじゃん・・だってー・・・」

「不倫関係の、何がいいことなんだ」


ドクン!!


心臓の奥底が、跳ねた。











< 41 / 92 >

この作品をシェア

pagetop