私は貴方に、叶わない恋をした。
麻由美は、職員室とは反対方向の屋上へと向かった。
向かっている途中、朝のSHRが始まるチャイムが聞こえた。
教室にいないと、欠席扱いにされてしまう。
でも…今はー…
先生の顔を、見たくない。
階段を何段も上り、屋上の扉を開けた。
「うわっ…」
ぶわっと一瞬だけ、強い風が身体をきった。
しかし一歩、外に出ると残暑が厳しいムシムシとした空気がジワリと、身体に伝わってくる。
「あっつ…」
来る場所、間違えたかな?
とりあえず、日陰…
「…誰だ、あんた」
「!」
日陰を探していると、頭上から声が聞こえた。
え…頭上?
ゆっくりと空を見上げると、太陽が眩しいのと…扉の上に人影が見える。
「あんたも、サボリ?見ない顔だけど」
声からして、男だ。
そして、髪が眩しく光っている。
え…金髪?
「あ、あんた..夏休みに毎日のように学校に来てただろ?」
ドクン!
「…え?」
「美術室に入って行くのを、何回か見た。後、沢せんせーが入って行くのも見た」
ドクン。ドクン。
「あんた、もしかして…」
ドクン!