私は貴方に、叶わない恋をした。
「…」
なんだ…
両想いになったって喜んでバカみたい。
先生は、私のことを好きじゃないんだ。
「…っ」
好きじゃないんだ。
こぼれ落ちそうになる涙を、必死に堪えた。
泣いたら、余計に惨めになる。
「何、あんた。欲求不満なの?」
「!」
俯いて涙を堪えていると、ヤスが顔を覗き込んできた。
「…ち…違う」
ぱっと、顔を逸らした。
「欲求不満なら、俺が相手してやろうか?」
「は?…きゃ!」
地面を見て俯いていたのに、今は空が見える。
背中がコンクリートの熱で、暑い。
「…え?」
そして、空の手前にヤスがいる。
サラサラと、金髪がなびいている。
「まずは、キスな」
え?
そう言うと、ヤスの顔がどんどん近付いてくる。
「ちょ…やだ…」
抵抗しようとしても、腕を押し捕まれていてビクともしない。
冗談でしょ?
先生とだって…
「…やめてよ!」
まだ、誰ともキスしたことないのに!!