私は貴方に、叶わない恋をした。
「永井」
ドクン!
「…はい」
ドキン。ドキン。
名前は呼ばれたが、目は合っていない。
「次の授業から、出席しなさい。反省文は放課後、美術準備室の俺の机に置いとけ」
「…っ」
冷たく突き放すような言い方で、先生は言った。
「…は…い」
まるで、私の気持ちに気付いた時のような態度。
もう…
先生の気持ちが、わからないよ。
「じゃあ、各自…」
「沢せんせーの態度、かなりムカつく」
「!」
え…?
ヤスの唐突な発言に、生徒指導室が緊張に包まれた。
「…どうしてだ?」
眉間にシワを寄せた沢先生が、ジッとヤスの目を見て問い掛けた。