私は貴方に、叶わない恋をした。
雨と光
「入りなよ」
「…」
学校から飛び出し、ヤスと2人でやってきたのはー…
「俺、一人暮らしだし。遠慮することないからね」
ヤスが住んでいる、マンション。
「…って、それだから危ないのか。でも、大丈夫。襲ったりしないから」
「!」
「ミネラルウォーターしか置いてないけど、それでいい?」
「あ…うん」
「了解。適当に座ってて」
そう言うと、ヤスは部屋の奥へと消えて行った。
「…」
勢いで、来ちゃったけどー…
カバンを教室に置いたままだし、反省文だって生徒指導室に置いてきちゃったしー…
それに…
「…っ」
先生ー…
「まだ玄関にいたの?」
「!」
玄関で立ち尽くしていると、ミネラルウォーターを2本持ったヤスが戻って来た。
「冷えているうちに飲もうよ」
"はい"と、ミネラルウォーターを渡された。
「クーラーも効いてるよ?」
ふっと笑みを含め言うと、ヤスは部屋の奥へと行ってしまった。
「…」
冷えたミネラルウォーターを片手に、ヤスの後を追った。