私は貴方に、叶わない恋をした。




「ふっ…」

次々と流れ落ちる涙を、拭いきれない。


「永井…」

すると、黙っていた先生の腕が伸びてきて涙を拭おうとする。

「触らないで!」


パチンと乾いた音とともに、先生の手を振り払った。


「…私のこと好きじゃないなら、優しくしないでよ」

強く言いたいのに、涙のせいなのか弱々しくなってしまう。



「あの時、どうして振ってくれなかったの?」

私が、かわいそうだったから?

「付き合う気がないなら、受け入れないでよ」


抱き締められた時、両想いだと思った。


「そんな優しさなんか、いらない!先生なんか…」


舞い上がっていた自分が、恥ずかしい。


「先生なんか…」


そんな思いをしてでも、私はー…






「…忘れられないよ」




先生が好き。



この気持ち、どうしたらいいですか?







< 74 / 92 >

この作品をシェア

pagetop