私は貴方に、叶わない恋をした。
「あゆ!どこ行ってたの!?」
「…ちょっと」
教室に戻ると、真奈が心配そうな顔をして駆け寄ってきた。
「目…真っ赤。泣いたの?」
ドキン!
「え!?あ…いや…」
慌てて目を隠すが、もう遅い。
どうしよう、何て答えたらー…
「…私は、あゆの口から言ったことしか信じないから」
そう言いながら、真奈がギュッと抱き締めてくれた。
「真奈…」
「だから、放課後は強制的にカラオケ。全部、話してもらうから覚悟しといて」
「…はい」
「よし。周りなんか、気にしなくていいから」
「…ありがとう」
真奈の優しさに、止めたはずの涙がまた出そうになった。
「席、着けよー。遅くなったけど、SHR始めるぞ」
ドキン。
先生の声だー…
「あゆ、席着こ?」
「う…うん」
各自、席に着くとSHRが始まった。
「まず、出席からー…」
教卓の前に立つ先生は、いつも通り。
屋上で泣きながら訴えた私に、先生は黙ったまま表情一つ変えなかった。
その空気に耐えられなくて、また私が逃げたんだけどー…
「…永井!」
「あっ…は…い」
「次は…」
目を向けず、先生は私の名前を読んだ。
そういえば…
いつからかな…
先生が、私と目を合わせなくなったのはー…