私は貴方に、叶わない恋をした。



「ちょっと!何、あのキラキラしたの!?」


窓際に座っている生徒が、窓の外を見て叫んだ。


「え?何なに?」

「キラキラ?」


その声に、他の生徒たちも窓の外を見に行く。

「こらぁー!席に戻れ…」

「あ!あの人って、永井さんの…」

ドキ!


私のー…

キラキラ…?


「!」




勢いよく席を立ち、窓際に行く。


「また、あの頭で…」

「本当に金髪だー」


ここの教室は、二階。

太陽の光りが反射して、キラキラした人が、グラウンドの真ん中を堂々と歩いているのがよく見える。



「…ヤス」


謹慎中だと聞いてたのにー…



騒ぎに気付いたのか、ヤスが空を見上げた。


「こっち見たよ!」

「やっぱ、あの噂本当なんだ」
クラス中の視線が、向けられる。

けど、今はー…



「永井!おはよう」


キラキラとした髪と、優しい笑顔のヤスから目が離せない。





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