私は貴方に、叶わない恋をした。
先生の荒々しい声が聞こえたのと同時に、密着していた唇が離れた。
「はっ…はぁ…」
新鮮な空気が身体にやっと入ってきた。
「んだよ…邪魔すんなよ」
「お前は…」
「永井のこと、何とも思ってないんだろ?だったら、永井に何してもいいじゃんか」
「でも、永井は泣いて…」
「そういう中途半端な優しさがムカつくんだよ」
さっきとは違う、重くズッシリとしたヤスの声のトーン。
「途中で逃げるぐらいなら、始めから永井の気持ち受け止めるなよ!!」
先生に対してヤスがいった言葉は、まるで私の気持ちを代弁してくれているようで…涙が出た。
「ヤス…」
¨ありがとう¨って、伝えたい。
「あり…」
「…中途半端な気持ちで受け取ったわけじゃない」
ー…え?