色をなくした世界
「雪!雪!起きてー!!」




寝ていた雪乃を、梓が蹴って蹴りまくって起こした。



「うーん。痛いよー…何?!」



寝ている所を起こされるのが何より嫌いな雪乃は、半切れで目を覚ました。




「それが夕飯を買いに行った人に…言うこと?」



怒りを含む梓の言葉に雪乃の頭は冴えてくる…。


チラッと上を向けば、両腕に某牛丼チェーン店と雪乃の好きなコンビニのデザートを持った梓と目が合う。




笑っているが…目が怖い。



雪乃は急いで姿勢を正すと、思いっきり頭を下げた。




「ごめんなさい」



梓の機嫌が直らなければ夕飯とデザートが消える為、雪乃は必死だった。


必死に謝る雪乃に多少怒りも冷めたのか、梓は持っていた袋を渡してくれる。


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