色をなくした世界
手紙
雪乃が雄大への思いを自覚し・・・二週間が過ぎた。


「雪?結局雄大君には連絡したの?」


雪乃から何か行動を起こしたという話は聞いていない・・・。


このままで大丈夫なのか?と心配になり、梓が尋ねれば・・・雪乃の顔が少しだけ赤くなる。



梓に聞こえるか聞こえないかくらいの声で、小さく呟いた。



「・・・・・・手紙を出した・・・・昨日・・・・」


電話にしようか、メールにしようか悩み、結局手紙にした。


住所を青山に聞きに行けば理由を聞かれ、話したら快く教えてくれた。



(何で電話もメールもある時代に・・・手紙を選ぶのよ・・・この子は)



と梓は思ったが、言葉には出さなかった。



雪乃の気持ちが分からないわけでもない。



きっと・・・少しだけ・・・怖かったのだろう・・・。



まだ自分の事を好きでいてくれるのか・・・



「何て書いたの?」



梓が好奇心から聞けば、雪乃は恥ずかしそうに手紙の内容を教えてくれた。
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