色をなくした世界
雄大の切ない声は未だに聞こえている。



「和君・・・雄大君が・・・・・」



そう言えば和哉の顔は悔しそうに曇る。



「雪乃・・・俺の事好き・・・?」



そう聞けば雪乃は嬉しそうに頷く。



けれど次の言葉を聞いた時・・・雪乃は泣きそうな顔になった。



「じゃぁ・・・雄大の事は?」



雪乃をさっきよりもさらに強くだきしめる。



「・・・・・・・・・和君」



雪乃の目が何かを決めたように強い光を持った。



「和君・・・私・・・・」



しかし言葉が続かない。



泣き出しそうな雪乃に、和哉は仕方ないなと笑う



「良いよ。分かってる」



和哉がそう言ってやると、雪乃が顔をあげる。



「分かってる。雄大の事が・・・好きなんだろ?」




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