色をなくした世界
雪乃が目を覚ますと・・・まず目に入ったのは・・・泣きはらした梓だった。



自分が生死の境を彷徨った事も知らない雪乃は、そんな梓を不思議そうに見ている。


「アズ・・・・?」


声をかければ・・・涙と鼻水で変な顔と声で「なに?」と聞いてくる。


「サンドイッチ・・・あってた?」



そう聞けば・・・梓の顔は更に涙が溢れだす。



雪乃の頭をなでながら・・・合ってるよバカ。と言っている。



合ってるのに・・・何で・・馬鹿?と思うが・・・雪乃の母と父が目に入り・・意識はそっちに行ってしまう。



「お父さん・・・お母さん・・・?」



さっきから何で自分はこんな声しか出ないんだろう・・と思ってしまうくらい声が小さい。



そんな雪乃の手を握りながら・・・父と母は泣いていた。



「どうしたの・・・?何か・・・あった?」



誰が父や母にこんな悲しい顔をさせているのだろうと・・・雪乃は悲しくなる。



父や母の後ろには・・・・ずっと会いたかった人がいた。
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