色をなくした世界
「少しずつ・・・慣れて行かなきゃね」


何にとは聞かなかったし言わなかった。


慣れて行かなければいけない・・・和哉がいない事に。


「まぁ、無理はしないようにね。何かあればすぐに俺に言いなよ?できる限りの事はするからさ!!!」


雄大が笑えば、雪乃も笑う。


「ありがとう!!!どんどん頼るから宜しくね!!」


和哉がいなくなって1ヶ月と少し・・・時間は確実に動いていた。


「じゃぁ俺行くわ!!あまりここにいると青山さんがうるさいから!!!」


雪乃は怒られちゃうねと仕事を心配していたが・・・青山が怒るのは雪乃と二人きりでいた事の方だろう。

娘を持つ父の心な青山は、とにかく変な虫がつかないよう必死だった。


「あっ!!!もし良ければこれ一緒に青山さんに持って行って?」


雪乃が出て行こうとした雄大を呼び止め、書類を渡そうとしたその時・・・。
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