色をなくした世界
-ドン-


危機一髪雪乃が転びそうになる所を、雄大が抱きとめた。


まるで雪乃が雄大に抱き着いたような形になっている。


「ごめん・・・・」


急いで雪乃は離れようとするが、雄大が離してくれない。


「足・・・・捻ってるかもしれないよ?」


そう言われ立とうとすれば・・・・足が痛くて立てない。


「本当だ・・・どうしよう・・・」


焦る雪乃に、雄大は少し我慢してねと言うと、お姫様抱っこで会議室に連れて行く。


この会社に医務室と言うものはないので、会議室で手当てをする事になった。


途中お姫様抱っこをする雄大は、青山にかなり叱られたが、雪乃の様子を知りしぶしぶだが了承してくれた。

ただ・・・「手は出すなよ」としっかり釘は刺されたが。


会議室に着き靴を脱がせれば、やはり雪乃の足は腫れていた。急いで湿布を貼るが・・・痛みはしばらく引かないだろう。

「ごめんね・・・」

ぽつりと言う雪乃を見上げれば、雪乃の目には涙がたまっていた。
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