色をなくした世界
何人もの人が雪乃に大丈夫か?しっかりしろよと声をかけて行っていた。
でも・・・・
(大丈夫なわけない・・・しっかりなんてできない・・・・)
夫をいきなり奪われ、大丈夫な人が一体この世界にどれだけいるのだろう・・・。
当たり前にあったものをいきなり奪われしっかりできる人がどれだけいるのだろう・・・。
雪乃は泣きそうになる気持ちを必死に抑え、気丈に立ち続けていた。
梓が来るまで。
抱きしめられた温もりに、生きている感触に、雪乃は梓にしがみ付き大きな声で泣き出した。
いっぱい泣いたはずなのに・・・涙は枯れない。
「梓・・・和君が・・・和君が・・・」
周りの弔問客も先ほどまで泣きもせず立っていた雪乃の変わり様に驚きを隠せないようだった。
「雪・・・雪・・・私がいるから・・・」
何度も何度も同じことを言っては抱きしめる梓に、雪乃は止まらなくなる。
「嫌だ・・・嫌だ・・・和君がいない人生なんて・・・嫌だよ・・・」
神様・・・他には何もいりません・・・和君を返してください・・・。
でも・・・・
(大丈夫なわけない・・・しっかりなんてできない・・・・)
夫をいきなり奪われ、大丈夫な人が一体この世界にどれだけいるのだろう・・・。
当たり前にあったものをいきなり奪われしっかりできる人がどれだけいるのだろう・・・。
雪乃は泣きそうになる気持ちを必死に抑え、気丈に立ち続けていた。
梓が来るまで。
抱きしめられた温もりに、生きている感触に、雪乃は梓にしがみ付き大きな声で泣き出した。
いっぱい泣いたはずなのに・・・涙は枯れない。
「梓・・・和君が・・・和君が・・・」
周りの弔問客も先ほどまで泣きもせず立っていた雪乃の変わり様に驚きを隠せないようだった。
「雪・・・雪・・・私がいるから・・・」
何度も何度も同じことを言っては抱きしめる梓に、雪乃は止まらなくなる。
「嫌だ・・・嫌だ・・・和君がいない人生なんて・・・嫌だよ・・・」
神様・・・他には何もいりません・・・和君を返してください・・・。