色をなくした世界
「どうなんだ?」
どこまでも偉そうに尋ねてくる一馬の後ろから、雄大がかけてくるのが見える。
「・・・・・・望まない・・・・和君はそんな事望まない・・・・絶対望まない・・・・」
自分でも驚くほどの大声が出る。
分かっていたのだ・・・そんな事。
こんな男に言われるまでもなく・・・・分かっていた。
「なのにお前は死のうとするのか?」
どこまでも容赦のない声が雪乃に降りかかる。
側に来た雄大が止めろよと言いながら、雪乃に自分の上着をかけるが・・・一馬は止まらない。
「お前だって甘やかしたからいけないんだ。誰かが教えてやれよ。死んだ奴は死んだ。二度と戻らない。いつまでも引きずって歩く事が相手への愛なんかじゃないと・・・・教えてやれよ」
初めて聞く一馬の大声だった。
雄大の知っている一馬はいつだって飄々としていた。
「いないんだ。お前がどれだけ探しても・・・・お前の夫はもういないんだ」
何度も自分に言い聞かせた言葉を他の人から聞くのは不思議な気持ちだった。
ただ・・・・その言葉が素直に自分の心に入って来た。
心から憎いと思った相手の・・・・言葉なのに。
どこまでも偉そうに尋ねてくる一馬の後ろから、雄大がかけてくるのが見える。
「・・・・・・望まない・・・・和君はそんな事望まない・・・・絶対望まない・・・・」
自分でも驚くほどの大声が出る。
分かっていたのだ・・・そんな事。
こんな男に言われるまでもなく・・・・分かっていた。
「なのにお前は死のうとするのか?」
どこまでも容赦のない声が雪乃に降りかかる。
側に来た雄大が止めろよと言いながら、雪乃に自分の上着をかけるが・・・一馬は止まらない。
「お前だって甘やかしたからいけないんだ。誰かが教えてやれよ。死んだ奴は死んだ。二度と戻らない。いつまでも引きずって歩く事が相手への愛なんかじゃないと・・・・教えてやれよ」
初めて聞く一馬の大声だった。
雄大の知っている一馬はいつだって飄々としていた。
「いないんだ。お前がどれだけ探しても・・・・お前の夫はもういないんだ」
何度も自分に言い聞かせた言葉を他の人から聞くのは不思議な気持ちだった。
ただ・・・・その言葉が素直に自分の心に入って来た。
心から憎いと思った相手の・・・・言葉なのに。