色をなくした世界
梓にお礼を言い、退院の日にお客様って誰だろう・・・?と廊下に出てみれば、青山が立っていた。
「青山さん???」
雪乃が大声をあげれば、中から雄大も出てくる。
「青山さんが来てるの?」
そう言いながら雄大が顔を出せば、雪乃に聞こえないくらいの声で「またお前か」と呟くのが聞こえた。
青山がお見舞いに来るたび、雄大がいたせいだろう・・・。
「柏木に用はないからどっか行け」
正月明けの挨拶もなく、あまりにもひどい言われようだったが・・・青山の様子から、何か言いに来たのだろうと判断し、雄大は荷物運びに戻った。
雪乃と二人だけになると、青山は自動販売機の並ぶ休憩室で話せる?と雪乃の体を心配しながら聞いてくれる。
「大丈夫です。わざわざ来ていただいて・・・」
申し訳なさそうに雪乃が告げれば、いつもの青山の笑顔がそこにはあった。
「雪乃ちゃんの顔見れるなら、いつだって来るよ」
頭をポンポンと叩く青山の手はいつもと同じで優しかった。
休憩室に着き、青山は缶コーヒー、雪乃はココアを青山からごちそうになった。
朝早い時間と、正月明けという事もあり、休憩室には雪乃たち以外誰もいない。
窓側の椅子を選んで座れば、青山が退院の日に訪れた理由を話しだす。
「青山さん???」
雪乃が大声をあげれば、中から雄大も出てくる。
「青山さんが来てるの?」
そう言いながら雄大が顔を出せば、雪乃に聞こえないくらいの声で「またお前か」と呟くのが聞こえた。
青山がお見舞いに来るたび、雄大がいたせいだろう・・・。
「柏木に用はないからどっか行け」
正月明けの挨拶もなく、あまりにもひどい言われようだったが・・・青山の様子から、何か言いに来たのだろうと判断し、雄大は荷物運びに戻った。
雪乃と二人だけになると、青山は自動販売機の並ぶ休憩室で話せる?と雪乃の体を心配しながら聞いてくれる。
「大丈夫です。わざわざ来ていただいて・・・」
申し訳なさそうに雪乃が告げれば、いつもの青山の笑顔がそこにはあった。
「雪乃ちゃんの顔見れるなら、いつだって来るよ」
頭をポンポンと叩く青山の手はいつもと同じで優しかった。
休憩室に着き、青山は缶コーヒー、雪乃はココアを青山からごちそうになった。
朝早い時間と、正月明けという事もあり、休憩室には雪乃たち以外誰もいない。
窓側の椅子を選んで座れば、青山が退院の日に訪れた理由を話しだす。