色をなくした世界
「はい・・・」
インターホンを見れば、和哉の友達雄大だった。
「夜分遅くにごめん・・・。お線香あげさせてもらっても良いかな?」
申し訳なさそうにカメラを覗く雄大の姿に、雪乃は少し待っててと言うと、玄関に向かった。
鍵を開け、チェーンを外せば、久しぶりに会う雄大がそこにはいた。
「遅くにごめん・・・やっと今帰って来たんだ。そこで和哉の事聞いて・・・」
和哉と雄大は幼馴染で、大学までを一緒の学校で過ごしたと和哉からよく聞いていた。大学卒業後は和哉は普通のサラリーマンに、雄大はカメラマンへと別々の道を歩み始めた。
大学の頃は和哉と雄大と雪乃の三人で朝までお酒を飲んだものだ。雄大と雪乃がお酒が強いのに比べ、和哉は本当に酒が弱かった。
少し飲めば真っ赤になり寝てしまう。そんな和哉を雄大が背負い、雪乃が看病をしていた。
「お酒弱いくせにね」
と和哉が寝た後二人で笑うのが、お決まりになっていた。
昔を思い出しまたも泣きそうになる気持ちを抑え、雪乃は雄大を和哉の元へと案内した。
案内した場所に和哉はいない・・・。あるのは和哉の写真と遺骨だけだった。
「小さくなっちゃったでしょ・・・こんな箱に収まるなんて・・・・」
雪乃が無理やり作った笑顔で問いかければ、雄大はその遺骨の箱を抱き声をあげて泣き出した。
「和哉・・・和哉・・・何先に逝ってるんだよ。・・・・雪ちゃん置いて、俺を置いて・・・どうして・・・」
男の人が大声あげて泣くのを雪乃はこの時初めて聞いた。
インターホンを見れば、和哉の友達雄大だった。
「夜分遅くにごめん・・・。お線香あげさせてもらっても良いかな?」
申し訳なさそうにカメラを覗く雄大の姿に、雪乃は少し待っててと言うと、玄関に向かった。
鍵を開け、チェーンを外せば、久しぶりに会う雄大がそこにはいた。
「遅くにごめん・・・やっと今帰って来たんだ。そこで和哉の事聞いて・・・」
和哉と雄大は幼馴染で、大学までを一緒の学校で過ごしたと和哉からよく聞いていた。大学卒業後は和哉は普通のサラリーマンに、雄大はカメラマンへと別々の道を歩み始めた。
大学の頃は和哉と雄大と雪乃の三人で朝までお酒を飲んだものだ。雄大と雪乃がお酒が強いのに比べ、和哉は本当に酒が弱かった。
少し飲めば真っ赤になり寝てしまう。そんな和哉を雄大が背負い、雪乃が看病をしていた。
「お酒弱いくせにね」
と和哉が寝た後二人で笑うのが、お決まりになっていた。
昔を思い出しまたも泣きそうになる気持ちを抑え、雪乃は雄大を和哉の元へと案内した。
案内した場所に和哉はいない・・・。あるのは和哉の写真と遺骨だけだった。
「小さくなっちゃったでしょ・・・こんな箱に収まるなんて・・・・」
雪乃が無理やり作った笑顔で問いかければ、雄大はその遺骨の箱を抱き声をあげて泣き出した。
「和哉・・・和哉・・・何先に逝ってるんだよ。・・・・雪ちゃん置いて、俺を置いて・・・どうして・・・」
男の人が大声あげて泣くのを雪乃はこの時初めて聞いた。