色をなくした世界
雪乃は今固まっていた・・・・。



「雪乃ちゃん??大丈夫??」


梓が目の前で手を振っているが・・・無視だ。


「雪??怒ってる・・・?」


何も言わない雪乃に、梓は尋ねる。


(・・・・・怒っていると言うか・・・呆れている)


「アズ?何で私たち以外にも人がいるのかしら?」


そう聞けば、梓は堂々と答える。


「合コンだからね!!!」


グッと親指をあげる姿にイラッとする。


「見れば分かるよ!!!何で私が合コン来なきゃいけないのかって聞いてるの」


雪乃たちが来た時、男性メンバーは一人を除き、女性メンバーは雪乃たち待ちという事でみんな揃っていた。


帰るに帰れず付いてきたものの・・・・梓をトイレに引きずり、この状態である。


「だって普通に誘ったら来ないでしょ?」


何度か声かけても結局逃げられたし。と梓は口を尖らせる。


確かに雪乃は何度か誘われ断ったが・・・私の意志は関係なしなの?と思うと泣けてくる。


「だからって・・・騙して連れてくることないでしょ?」


雪乃が声を荒げれば、梓は飄々と逃げる。


「来ちゃったもんは諦めて。あんまり戻るのが遅いと心配かけるよ」」


梓は嫌がる雪乃の手を掴み、個室へと連行していった。

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