色をなくした世界
雄大が泣きながら和哉を呼ぶ姿に、自分の姿が重なった。


そして何故か雄大のその姿を見て・・・雪乃は理解した。


・・・・和哉は死んだんだと。


死んだ和哉の姿を見ても、通夜や葬式をあげても、和哉が骨になってしまっても・・・どこかで生きているのではないかと思っていたのに・・・。


ただただ泣く雄大の姿を見て理解したのだ。


(和君は・・・もういないのね・・・)


枯れる事を知らない涙が溢れだす。


雄大の隣で雪乃も大きな声をあげて泣いた。



お互い励ますことも、慰めあう事せず・・・ひたすら泣き続けた。


何時間泣き続けたのだろう・・・最後は声が枯れ、鼻が詰まり、誰にも見せられない位酷い顔をしていた。

二人で顔を見合わせれば・・・どちらか共なく笑いが漏れる。


雪乃にとって自然と零れたその笑いは・・・和哉が死んでから初めて出たものだった。


「雪ちゃん・・・酷い顔だよ?」

「雄大君も・・・鼻水垂れてる」

どっちもどっちなのに、二人はお互いの顔がいかに酷いかを競って話した。
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