色をなくした世界
個室に行けば、最後の男メンバーが来ていたのだが・・・・



「何で一馬がいるの!!!!」


雪乃は個室に戻り、自分の座っていた席の前に座るよく見知った男の姿に、大声を上げる。


雪乃の声に耳を塞ぎつつ、一馬は酒を飲んでいる。


驚いたのは他のメンバーも同じで、二人は知り合い?と尋ねてくる。


「知り合いと言うか・・・同僚です」


何も話さない一馬に雪乃が一人で質問に答える。


「じゃぁ雪乃ちゃんも出版関係?」


「そうです。一馬ほどアクティブには動きませんけど・・・」


多少の嫌味を込めて言えば、男性メンバーはそりゃそうだと笑っている。


聞けば同じ大学の友人らしく、一馬も騙されて連れてこられたらしい。


とりあえず一馬の前に座り、雪乃はお酒を飲む。


「一馬も騙され組なんだね。一緒だ」


雪乃が笑えば、一馬も少しだけ表情が和らぐ。


「上手い酒が飲めると言われて来てみれば・・・これだよ」


雪乃は上手いご飯につられてきた・・・。


「一馬お酒好きなの?」


忘年会以来酒の席はなかった為、雪乃は全然知らなかった。


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