彼は、理想の tall man~first season~
「それじゃ、最新版のカタログ持って来るからちょっと待ってて」

「はい」


最初に私からということで、始めさせてもらった。

買うならオプションやらなんやら、変更出来る部分は変えて、自分好みの車にしたい。


「色々、決めてんだね」

そう言った中條氏は、本当に買う気でいるのか?

高級車の括りに入る車のカタログを見ていた。


「トータルいくらになるんだかって話にはなるんですけど」

「あ、前に他の車で見積ってたりするんだっけ?」

「はい。一応、比較出来るかなと思って、今日持って来てはいますけど」


ちょっと見せて、と言われて、バッグの中から見積書を出すと、丁度松本さんが席に戻り、中條氏は他社の見積書を、開いていたカタログで松本さんには見えないようにして見ていた。


「んー」と、小さく聞こえる中條氏の唸り声。

私は私でその反応が気になりつつ、松本さんからナビの性能について教えてもらっていた。

そして、いくらで入るか価格を調べて来るからと、松本さんは再び席を離れた。


入れ替わりで女性スタッフが此方に来て、飲み物のお代わりのを聞かれ、2人してアイスコーヒーをお願いした。
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