彼は、理想の tall man~first season~
私が車を欲しい理由――それはハッキリ言ったら単なる意地だ。
尚輝に出来て、自分に出来ないのが悔しいだけ。
まあ、実際の所、欲しいのは欲しいんだ。
梅雨と夏の電車通勤にはうんざりだし。
車があれば、買い物だって行きやすくもなるし。
たまには私も気ままにドライブだってしたいし。
ただ、買おうと思ったキッカケは、尚輝がローンじゃなくて一括じゃなきゃ買っちゃダメと言ったから。
俺はそれが出来るけど、美紗には無理だろ――と。
そんなことを尚輝が言い出さなければ、単に欲しいって願望だけで終っていた話だ。
だから、大学の時にアルバイトをふたつ掛け持ちにして。
最低でも月5万は貯金を目標にして。
漸く、買ってもまあまあ貯金が残せてという額まで貯まったから、今買おうと決めた、そこが原点だ。
買うなら尚輝と同じ位デカい車で、私にだって買えるって、尚輝に認めさせたかった――そんな変な意地があってのことにはなる。
「尚輝が、ちょっと心配してたよ」
お節介かも知れないけど、なんて――中條氏から出て来た、尚輝の名前に、ちょっと私は動揺した。
尚輝に出来て、自分に出来ないのが悔しいだけ。
まあ、実際の所、欲しいのは欲しいんだ。
梅雨と夏の電車通勤にはうんざりだし。
車があれば、買い物だって行きやすくもなるし。
たまには私も気ままにドライブだってしたいし。
ただ、買おうと思ったキッカケは、尚輝がローンじゃなくて一括じゃなきゃ買っちゃダメと言ったから。
俺はそれが出来るけど、美紗には無理だろ――と。
そんなことを尚輝が言い出さなければ、単に欲しいって願望だけで終っていた話だ。
だから、大学の時にアルバイトをふたつ掛け持ちにして。
最低でも月5万は貯金を目標にして。
漸く、買ってもまあまあ貯金が残せてという額まで貯まったから、今買おうと決めた、そこが原点だ。
買うなら尚輝と同じ位デカい車で、私にだって買えるって、尚輝に認めさせたかった――そんな変な意地があってのことにはなる。
「尚輝が、ちょっと心配してたよ」
お節介かも知れないけど、なんて――中條氏から出て来た、尚輝の名前に、ちょっと私は動揺した。