彼は、理想の tall man~first season~
まあ、それは乗ってから決めようとは思うけど。

それでも急な展開に、やっぱり気持ちと頭がついていかなかった――。


私が試乗した後、中條氏も2台試乗して、私もそれに同乗させてもらった。

松本さんには終始それらの車の特徴やら性能を説明してもらって、という展開で。

でもこの日は結局、試乗をさせてもらった後、見積りを出してもらってという所で、買う買わないという決断は持ち帰った。

来週の土曜日に、再び中條氏と松本さんの許を訪れるという展開となり、約束の時間を取り付けて、ディーラーを後にした。


此方の勝手にも色々と手を尽くしてくれた松本さん。

どの車種にしても、買うなら松本さんから買いたいと。

そう思いながら、尚輝の車の中から、松本さんに軽く会釈をしてショールームを後にした。


「疲れてない?」

「いえ、大丈夫です」


またしても中條氏が運転。

申し訳ないと思っていると、私を気遣ってくれて。

「お腹空かない?」

次にそう聞かれ、お昼をとっくに過ぎた時間だったことに気が付いた。


「松本さんも、きっとお腹ペコペコですね」

「だねぇ」


私も中條氏も苦笑い。
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