彼は、理想の tall man~first season~
何か食べてから帰ろうということになった。

丁度のタイミングで見えたのは国道沿いにあったファミレスの看板。


「あそこでもいい?」

ファミレスなんて久々だと思いながら頷くと、中條氏も「こういう所、久々だな」なんて呟いて。

「私も久々です」なんて、ついつい口に出してしまった。


「ごめんね、年頃の女の子を連れて行くには、色気ないけど」

「いえ、逆に新鮮です」


一応でも、場所とか雰囲気とかを気にしてくれる人なんだという点で、やっぱりなんだかんだでありだ。


考えがどうも恋愛に傾いてしまう。

ダメだと思いつつも、この時間を楽しいと思う自分がいた。


3時少し前という微妙な時間帯だったこともあり、店内は割と空いていた。

私に聞かずとも、喫煙席を指定してくれた中條氏に感謝しながら席に着き、メニューを見て。

私も中條氏も食べたい物は直ぐに決めて、店員を呼んで注文。

こういうことを、悩まず決められるタイプなのかな?

これらの決断が遅い男性に、結構イライラしてしまう私。

だから、メニューを数枚捲り、パッと決めた感じだった中條氏は、見ていてとても気持ちがいいものだった。
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