彼は、理想の tall man~first season~

そのことに、自分が少しでも携わっていられるという事が、私の中では多少の誇り。

部長が振ってくる仕事というのは、私のキャパを越えない量の仕事。

自分は手一杯なのに、周りが見えている所も、尊敬出来てしまったりなんだ。


「中條さんは、来月から営業部に復帰されるんですか?」

「うん。それまでに、生活基盤を整えないとなんだけど」

「それじゃ、お忙しいですね」

「んー、役所関係とか引き落としの手続きなんかは、昼間に全部終らせちゃえるから、ちゃっちゃとやっちゃう」

「色々ありますもんね」

「うん。けど、まとまった休暇をもらえてるから気は楽かな。物件さえ決めちゃえば後は引っ越しするだけだし、特に荷物って荷物はないし」

「もう物件は、どこかに絞られていたりするんですか?」

「候補はいくつかね。ただ、義弟とシェアするかも知れないから、」

「義弟――ですか?」

「そう、姉キの旦那さんの弟。確か尚輝と同い年だったかな。結構馬が合う奴で、こっち戻って来てから――」


実家の隣りに家を建てたらしい中條氏のお姉さん。

そこに義弟君が遊びに来て、帰国後に中條氏と久々に顔を合わせたらしい。
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